ゴルフの奥深さ ~Aさん編~
2021.05.16
さて、実際にAさんのスイングを拝見し、レッスンをしなければならない。
よく注意してスイングをチェック。
アドレスからグリップから・・・
やはり野球選手にありがちな、スライスの癖が強いですね。
野球のバッティングとは打つポイントが違います。
ゴルフのボール位置は、野球でいうと「食い込まれた」ポイント。
野球上がりのゴルファーは、このポイントのズレを直すのか活かすのか、そのような練習が必要になるのですが・・・
このAさん、コースでのゴルフが多いためか、ちょっと安易にフェース面を矯正してスライスを直してしまったのですね。
バックスイングの段階から極端なクローズフェース。
スイングは完全なスライスなのですが、極端なクローズフェースなので±0で真っすぐ打っている。
しかも筋力が極端に強いため、手首の力でフェースをクローズにするものだから、どちらかというとフックのミスが出る傾向が強い。
本人は「フックを直したい」と感じるようです。
スライスのスイングをしているのに、フックが怖い・・・
じゃ、フェースをクローズにしないようにアドバイスしてみると、これは全く体が反応しない。
そもそもゴルフを始めた時にスライスで悩んだはずですから、フェースを開くなんて潜在的に恐怖心があって全くできない。
今はフックが怖い。
ただ、潜在的にスライス恐怖症がある。
あっちもイヤ、こっちもイヤ。
イヤイヤ期の駄々っ子みたいです(苦笑)
こうなると、もうここは我々の腕の見せ所。
騙すしかないんです。
騙すと言っても嘘をいう訳ではないですよ。
違うところに目を向けさせるしかない。
「フェースをクローズにするな」と言っても、どうしても体が反応しないわけですから、いくら言ったって無駄。
これを「いいからやれ!」なんてレッスンは単なる苛めです。
なので「右ひじの使い方が・・・」なんて肘の使い方の練習をしてもらって、結果としてフェースがクローズにならなくなるのを待つとか・・・
悪い部分を直接意識して直そうと思っても無理な場合も多いわけです。
そこで、出来るだけ「違和感」や「恐怖心」という痛みを伴わない内容の練習で、自然に悪い部分が治るのを待つ・・・
この方がかえって効果は早く出たりするものです。
具体的には企業秘密ですが・・・
とにかく悪い部分を知って、そこを意識すれば良くなるというモノではない。
ゴルフって難しいですね。
そしてゴルフもレッスンも、とても奥が深い!
そんなわけで、安易にアドバイスをしても、アドバイスを貰っても、結構危ないものです。
ちなみにこのAさん・・・
後日、嬉しいご報告をいただきました。
ベスト更新したとか!?
もちろんアドバイスの効果も多少はあったかもしれませんが、ベストスコアが出るというのは、これはたまたまでして・・・💦
でも、私のおかげと思ってくれているのであれば、そのままにしとこっと(笑)